人の感情を動かさなければ商品やサービスは売れない

私たち経営者は感情を動かさなければ売れずに失敗する。

いきなり何を言っているんだ?

そう思われそうですが、現代社会では感情を動かすことが出来ない限りバタバタと潰れてしまいます。

もしも、現状の経営が他社競合との「価格競争」に巻き込まれて安売り合戦になっている場合には今回の記事はお役に立つと思います。

目次

まずは、何故?人の感情を動かす必要があり、それをしない限り、ジリ貧の経営になってしまうのか?

これを知るためには今の時代では、無茶苦茶膨大な情報がありふれている社会である事を理解しないといけません。

 
 

上の図のように、ITバブルが1996年に到来して、どんどんと情報が世界中に広がっていき、現在まで約24年間も情報データを蓄積してきました。

しかしです。

今ある現在のネット上のデータ。

このデータの90%は驚くことに過去2年間に蓄積されたデータだという事です。

つまり現代社会での情報量というのは、数十年前とは桁違いのデータ量の情報が毎日毎日流れている事になります。

こういった情報社会の現代で、何かの商品やサービスを販売していくには、単なる物売りでは全く売れないどころか、購入側のお客さんの方が、商品やサービスに対して賢くなっていたりもします。

そこで、活用されるのがAISCEAS(アイシーズ・アイセアス)

  • Attention(注意)
  • Interest(興味・関心)
  • Search(検索)
  • Comparison(比較)
  • Examination(検討)
  • Action(行動)
  • Share(共有)

こららの頭文字をとったもので、特にインターネットにおけるユーザーの購買心理プロセスを表して、多くのマーケターに使用されています。

こういったフレームワークにそって、自社の商品やサービスを当てはめて考えていくわけですが、ここで最も忘れてはいけないのが最初にも伝えた「感情」です。

最初にも話した通りに今の時代では情報がありふれている社会でもあり、さらに物もありふれている社会です。

つまり買いたい人

よりも

売りたい人の方が圧倒的に多い時代でもあります。

ボールペン1つにしても、様々な種類のボールペンが存在しているので、今からボールペンの会社を立ち上げるぞ!といっても、なかなか難しいと思います。

しかし、そこに感情があったらどうでしょうか。

単なるボールペンでも、特別なボールペン

おじいちゃんからのプレゼントに貰ったボールペン

友達からのプレゼントでもらったボールペン

こういったボールペンは、店頭に並んでいるボールペンよりも特別な存在として、今でもあなたの手元に残っているのではないでしょうか。

では、こういった人の感情を動かすような商品。

物を売るのではなく、感動を売る

これをするにはどうすればいいのか?

これには感情の作りかた3つのステップがあります。

  • シンプル化
  • 心理的法則
  • 見て・聞いて・行動させる施策

この3つのステップを活用することで今の時代でのモノ売りから感度を与える商品やサービスを提供することが可能です。

ステップ1.シンプル化

引用元:ウィキペディア
 

かの有名なスティーブ・ジョブズは誰もがご存知かと思いますが、彼が有名になった全盛期ではシンプル化を活用していました。

しかし、天才と言われているスティーブ・ジョブズでも、起業当初からシンプル化を徹底していた訳ではありません。起業当初は自社の宣伝のために新聞9ページ分にも及ぶ広告を出したりもしているぐらい、コッテコッテの広告をしていました。

さらにこの宣伝広告はほとんどと言っていいほど効果が無し。。。

という感じでマーケティングの才能はそれほどでも無かったが、ITに関する分野では、たぐいまれにみる才能で1976年にアップルを創業し1980年には2億5600万ドルもの個人資産を手にしたが、その後の1985年にアップルから追い出されてしまう。

アップル退職後にはピクサーを設立して、ここでアニメーション制作をする事で物語を作るということから、「人に話す」のでは伝わるずに「人に語る」必要がある事を経験し、多くの事を話すよりも「シンプル」というところに行きつきます。

そこから1996年に業績不振に陥っていたアップルに復帰して、その後は皆さんもご存知のipod/iphone/ipadなどなどの大ヒット商品を生み出す。

こういった大ヒットの背景には、彼が復帰して最初にやったのが、製品ラインナップのシンプル化です。

そして打ち出す宣伝広告も皆さんがご存知の通りにシンプルで、起業当時のような9ページにも及ぶ広告を出したりしていません。

これはどの業種でも言えることで、何かを追加を繰り返してマーケティングをするのではなく、何かを取り除いて完成が来る時代。

自社の足りないところをライバルから学んで追加をしていくのではなく、ライバルよりもシンプルにする。

無駄なものを省いてシンプルに徹底する。

これはオンラインだろうがオフラインだろうが同じことで、よりシンプルに出来ているかをしていくことで、自社のホームページが見やすくなったり、自社の料金体系が分かりやすくなったり、顧客にとっても分かりやすく伝わりやすくする事ができます。

まずは自社の方のホームページ、料金体系、広告、ビジネスモデル、マーケティング、といったあらゆる部分をシンプルになっているか

ライバル他社よりもシンプル化されているか、何かごちゃごちゃと無駄に追加していないか?

こういった部分を一度見直してみることでシンプル化にする事が可能です。

ステップ2.心理的法則

 
 

商品やサービスを売るなデータを集めて分析をする。顧客からのアンケートを取って、そこから収集したデータをもとに商品開発やサービス改善に繋げていく。

こういった事は、自社のマーケティングにも必要だし、欠かせない事だと思われますが、実はここには本質が無い場合があります。

つまりデータばかりを見て参考にしてしまい、本質を見失ってしまうと、全く効果が得られない結果に繋がってしまいます。

どういうことか?

では、ここで3つの心理的法則を紹介していきます。

  • バンドワゴン効果
  • スノッブ効果
  • ヴェブレン効果

では順番にどんな心理的効果が働いているのか解説していきます。

まずバンドワゴン効果

例えば、何かの商品があったとして、あなたでしたらどちらを選びますか?

①人気な商品 ②不人気な商品

おそらくほとんどの人が①の人気な商品を選ぶことでしょう。

この効果がバンドワゴン効果で、多くの人が選択している物にはさらに選択を増大させる効果が得られる現象で、身近なものとしては選挙などでも影響しております。

選挙でどこの党に投票をしていいか分からない。。。そういった場合には、とりあえず、みんなが投票していそうな党にいれておく。という心理的効果が働きます。

これがバンドワゴン効果。

では次の、スノッブ効果。ここでも、何かの商品を選択するとします。

①希少な商品②希少で無い商品

これもほとんどの人が①の希少な商品を選んだと思います。

スノッブ効果は周囲が採用しているから自分は採用したくないという心理学の用語で、需要の増加によって排他性や差別化の意識が働くことで発生します。

例えば、なかなか買えないブランドの商品を購入して、街中で自分と同じブランドを持っていたりすると嫌な気持ちになったりしませんか?

これには、限定商品、希少性、といった効果が働いており、みんなが持っていない、今しか手に入らない、といった魅力に惹きつけられるのが、このスノッブ効果になります。

しかし、ここで、おかしな矛盾が発生します。

先ほどのバンドワゴン効果とスノッブ効果

こちらを比較してみると矛盾が生じます。

【バンドワゴン効果】

人気な商品=沢山持っている人がいる

【スノッブ効果】

希少な商品=持っている人が少ない

バンドワゴン効果では、人気な商品をほとんどの人が選ぶ傾向にありますが、しかしその商品は沢山持っている人がいる商品でもあるので、スノッブ効果での希少な商品である、持っている人が少ない商品と相反します。

ではもう1つのヴェブレン効果。これは商品の価格が高く、それを手に入れること自体に特別な消費意識・欲求が生まれる心理的効果が働くのですが、ここでも他の心理的効果と矛盾が発生します。

ヴェブレン効果×バンドワゴン効果

ヴェブレン効果=高価なものなので購入者を絞る

バンドワゴン効果=みんなに選ばれる

ここでも矛盾が発生します。

つまり、単なるデータを集めたものばかりでは、こういった顧客の心理的矛盾を確認することが出来ない場合が存在しているという事です。

なので単なるデータからのマーケティングではなく、心理的効果を利用したマーケティングから考えると

例えば

○○商品は前回10000人の方に利用され、今回も10000人の○○商品をご用意させて頂きました。ですが、今回も10000人での締切とさせて頂きます。

こういった宣伝をしたとすると、ここにはバンドワゴン効果とスノッブ効果の2つが共存しております。

「前回10000人の方に利用され」

10000人も売れているんだというバンドワゴン効果

「今回も10000人で締め切り」

10000人で締め切るんだというスノッブ効果

こんな感じで、心理的効果を知っているか知らないかだけで、自社のマーケティングの仕方やキャッチコピーや宣伝の仕方まで、変わってくると思います。

ステップ3.見て・聞いて・行動させる施策

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みざる きかざる いわざる

皆さんも、よくご存じの栃木県の日光東照宮でも有名な三猿です。「自分に都合の悪い事、人の欠点や過ちなどは、見ない、聞かない、言わないほうが良い」という意味があるらしいですが、これは実際のビジネスでも、ちょっと違う感じでも例える事が出来ます。

どんなにネット上で良さそうな広告が出てきても、ほとんどの人が

「見ない」「聞かない」「動かない」

この3つは、ネットで何かを発信する際には特に注意しないといけないポイントでして、ネット関係のお仕事をされている方であれば1度は聞いたことが有るでしょう。

つまり、ほとんどの人が、広告を見ても、見ないし、信じないし、ましてや動いてもくれない。こういった事が当たり前のように起こるから、広告の打ち手側はいかに「見てもらえるか」「聞いてももらえるか」「アクションをしてもらえるか」ここを徹底して考えぬかないといけません。

ではどうすればいいのか?

店舗の規模が小さいから?

お店が豪華じゃないから?

商品にボリュームが無いから?

こういった所ではなく、顧客への「感情」がないかならです。

人の心が動く時には、心臓がドキドキするようなとき

驚き ワクワク 嬉しい 怖い ハラハラ 

こういった要素が必要不可欠です。

例えば、チラシ広告ひとつにしても、何処に掲載するのかでも変わってくると思います。

多くの人が意外と思わせる場所に広告が張ってあったら、人の心が動く事が出来ると思います。

例えば、どこかの登山スポットの山に、途中の休憩所などにナイキのチラシが張り付けられていたら「こんなところに!?」という驚きの感じになりませんか。

そして、掲載する広告も、最初に話したとおりにシンプルにです。無駄な宣伝ではなく「attention・アテンション」を加えて注意や注目をさせて広告を打ち出していく。

ここで重要なのが、人は追加される事よりも、失う事の方が心が動かされる。という傾向が強いです。

例えば、

「この商品を購入すると1万円もお得になります!」

という伝え方よりも

「この商品を購入しないと1万円も損しますよ!」

という伝え方の方が、人の心が動かされやすくなります。

人は得するよりも、今の何かを失う方が敏感に反応しやすく、それを回避しようとする傾向があります。

これは人間以外にも備わっている生物的本能でもあり、この部分は生物であれば、嫌でも反応してしまうように出来ています。

今あるものを失いたくない。という気持ちは得する事よりも強い反応をしやすくなってしまうという事です。

とはいえ、過剰な注意は禁物ですので、間違っても「これを購入しないと、あなたは2日後に死にます!」みたいな事は辞めましょう(笑

では、今回は以上となります。

今回の3つのステップ

  • シンプル化
  • 心理的法則
  • 見て・聞いて・行動させる施策

この3つのステップに沿って自社のマーケティングを考える事で、より顧客の「感情」を動かすことが出来るビジネスを展開することが可能となりますので、是非とも参考にしてみてください。