ホームページを公開する際に最も重要なポイントの一つが、「何のためにホームページを公開するか」を明確にすることです。そして、そのために重要になるのがターゲットの設定です。
そこで、今回はホームページのターゲット設定の目的や考え方を紹介したうえで、売上アップ、集客アップ、信頼性アップの目的別にどのようなターゲットにどんな情報を発信すればよいかについて明らかにしていきます。
目的とターゲットが明確になれば、ホームページのコンセプトが定まり、既存顧客に愛され見込み顧客にワクワクしてもらえるようなホームページを公開することができるでしょう。
目次
ホームページの目的とターゲットの考え方教えます
まず、ターゲットを設定する目的について解説します。目的を博することは、同時にターゲット設定のメリットの理解にもつながります。
伝えたい相手に的確にメッセージを届けるため
まず、ターゲットを設定することによりメッセージを的確に伝えられるようになります。
例えば、化粧品会社のコンテンツを例に考えてみましょう。「化粧品についての情報」とターゲットを絞らずにコンテンツを公開するよりも、「冬場の乾燥によるニキビや肌荒れに悩んでいる30~40代女性向けの基礎化粧品についての情報」とターゲットを絞った方が記載する内容が書き手側、読み手側ともに明確になるのがイメージしていただけるかと思います。
ターゲットを絞った方が閲覧者を惹きつけられるため
ターゲットが絞られた情報は、ホームページの閲覧者を強く惹きつけることができます。上の例でいえば、30~40代の敏感肌の女性は、このホームページは「私のために書かれている」とホームページの内容に強く興味を抱くようになります。
想定したターゲット以外のユーザーにも説得力が増すため
ターゲットを絞った場合には、ターゲット以外の層への訴求力が弱まると考えがちですが、実際のところはターゲット以外の層に対しても訴求力が増します。上の例でいえば、20代や50代のターゲット層の近くのユーザーにも「30~40代の方にこんなメリットがあるなら私にもメリットがありそうだ」「この商品は、〇〇さんの悩みを解決できそうだ」などのように、閲覧者が利用シーンなどを具体的にイメージできるからです。
サイトコンセプトが定まるため
ターゲット層が定まると、サイトコンセプトが定まりファン層にマッチしたデザインのホームページを作成しやすくなります。例えば、30~40代の女性が好むホームページであれば、以下のようなイメージです。
・やわらかい
・優しい
・落ち着いた
・写真やイラストが多い
・きれい
・家庭的
こうして、ターゲットからサイトデザインのヒントをつかむこともできます。
ターゲットとなりうるホームページに訪れるユーザー
上の章では、見込み顧客をターゲットとして設定する例を紹介しましたが、企業のホームページの目的は商品を売ったり、集客を増やしたりするためだけではありません。ホームページには、認知度のアップや採用の強化、信頼性の向上などさまざまな役割があります。
また、見込み顧客だけに絞ってホームページを公開していると、その他の閲覧者を取り込みにくいため結果的にホームページのアクセス数を増やしにくいという側面もあります(多く閲覧されればされるほど検索順位が上がりやすいというSEOの効果により)。
ここでは、ホームページに訪問する可能性があるターゲット層について紹介します。ページごとに、それぞれターゲット層を設定して、ホームページ全体のパワーを高めていきましょう。
見込み顧客(新規顧客)
見込み顧客は、直接売上のアップにつながる層なので多くの企業が最も重視する層です。商品販売ページ、ブログ、自社の強みなど自社サービスのメリットや競合他社との比較などによりアピールをおこないます。この際に、ターゲット目線での情報を的確に伝えることがホームページの売上に直結します。
既存顧客
売上の安定や長期的なファンの獲得のためには、既存顧客に対するコンテンツの充実も非常に重要です。代表的な例としては、商品の説明書やトラブルサポート、会員専用ページなどです。
既存顧客については、実店舗での顧客層や顧客からのお便り、ホームページのアクセス解析などの情報から顧客層を明確にすることができます。
潜在顧客
まだ、自社商品には興味を持っていない潜在顧客をホームページに集客することで、見込み顧客にまで育てることができます。例えば、化粧品の例でいえば、「肌荒れに悩んでいる方」「乾燥肌の女性」などが潜在顧客といえます。潜在顧客にアプローチするには、ブログや動画などのコンテンツが有効です。
潜在顧客を集客するには、どのような悩みを抱えている方が多いのか、どのような悩みが自社商品と親和性があるのかを、各種アンケートやインターネットのアクセス解析ツール、キーワード調査ツールなどを使って推測することが効果的です。
取引先
取引先の従業員もさまざまな事情から自社ホームページにアクセスしてくれます。例えば、新規取引の際にはホームページから住所、電話番号、従業員数、主な取引先などの会社情報、取扱商品やサービスの強みなどの営業に関する情報をチェックします。既存取引先の場合には、住所や電話番号の確認の他に、一般向けに公開されている企業情報のチェックをおこないます。
取引先に向けては、必要な情報を漏れなく分かりやすく掲載することが重要です。
求職者
新卒・中途・パートタイムで仕事を探している方も、ホームページから企業情報を確認します。企業の基本情報の他に、採用に関する特集ページがあればアクセスを集めることができるでしょう。先輩従業員のメッセージなど「生の声」があれば、情報の説得力が高まります。
ターゲットに対してどのようなコンテンツを作成するか
ターゲット層を設定したら、どのようなコンテンツを作成するかについて基本的な考え方を見ていきましょう。
コンバージョン(売上)につなげるために
コンバージョン(=商品の売上や予約問い合わせなどホームページ内での最終目標)を高めるためには、ターゲット層の気持ちをいかに揺さぶるかが重要なポイントになります。
「自社の商品・サービスは、あなたの要望を実現します」「あなたの悩みを解決します」といったメリットを実際にイメージしてもらえるコンテンツを作成します。見込み顧客・既存顧客・潜在顧客の3つの層がありますが、3つの層に対してそれぞれページを作成していきます。
また、コンテンツの内容の他にホームページのデザインや使い勝手も重要です。インターネットユーザーは、見づらかったり使い勝手が悪かったりするホームページからはすぐに離脱してしまいます。ターゲットとする層がどのようなデザイン、フォントなどを好むのかリサーチして、顧客に好かれるホームページを公開しましょう。
集客につなげるためには
集客につなげるための方法は、3点あります。
①新規顧客、既存顧客、潜在顧客、求職者など幅広い層の客層を集めること
②コンテンツの質を高めること(ターゲット層に向けた高品質なブログ記事を掲載することによりSEO対策の効果が現れ、検索結果上位表示によりサイトのアクセス数が増えます)
③ターゲット層に合った広告を展開する(Web広告のセグメントにより地域、性別、年齢をセグメントしたり、ターゲット層が好む媒体に広告を出稿したりする)
これらの3つの対策により、ホームページの集客力を高めていくことができます。
信頼性の向上のために
信頼性を向上させるためには、企業情報などの必要情報を漏れなく掲載すること、ホームページデザインが古い場合はリニューアルすること、コンテンツが更新されていない場合には、最新の情報に更新することなどの対策が必要です。
見込み顧客だけではなく、求職者や取引先などもホームページを閲覧していることをイメージして、情報の漏れや不備のないように注意しましょう。
まとめ
ホームページのターゲットを設定することにより、コンテンツの情報を的確に顧客に届けることが可能になります。ターゲットの設定のためには、アクセス解析などのオンラインでの分析はもちろんですが、実店舗の顧客層などのオフラインの情報も非常に参考になります。
注意したい点としては、ターゲットといえばつい見込み顧客や潜在顧客のみをターゲットとしてしまいがちなところです。取引先や求職者など、その他おホームページアクセス者についてもターゲット層ととして情報を記載することにより、ホームページ全体の集客力アップにもつながります。
もちろん、見込み顧客や潜在顧客は売上に直結するので、ターゲット層に合ったデザインで読者に有益な情報を公開しましょう。